こんにちは、ルナールです。
あなたは、田舎暮らしやスローライフに憧れていますか?
『山のトムさん』は、田舎で自給自足の生活をしている人たちの様子を垣間見ることができる、ちょっと疲れているときにボーっと見るのにちょうどいい作品です。
『山のトムさん』の内容は?
東京で暮らしていたハナ(小林聡美)は、友人のトキ(市川実日子)、トキの子どもトシ(佐々木春樺)と、慣れない田舎での生活を始めます。そこに中学を卒業したばかりのハナの甥アキラ(伊東清矢)が加わり、4人の新しい家族の暮らしが始まります。近くに住み何かと相談に乗ってくれるゲン(光石研)とシオリ(高橋ひとみ)の夫婦に助けられながら、少しずつ慣れていく畑仕事の毎日が続きます。
そんな中、ネズミ退治の目的で飼われた新しい家族、猫のトムがやって来ます。やんちゃな猫トムに、少しだけ振り回されながらも、人間と動物たちが、やがては楽しく共生していく、そんな田舎暮らしのお話です。
このキャスト陣を見てピンときたかもしれませんね。
数年前にヒットした映画『かもめ食堂』や『めがね』といった、小林聡美主演の癒し系作品でおなじみのキャストばかり。もたいまさこさんも、ちゃんと出演してますよ。私はその2作品がとても好きだったので、この『山のトムさん』も期待して見てみました。
でも、感想としては、「うーん、癒し系ではあるんだけど・・・なんか違うなぁ・・・」っていうかんじでした。あとで調べてみて分かったんですが、じつはこの作品、『かもめ食堂』や『めがね』とは別の監督の作品らしいんですよね。あ、でも、脚本は『かもめ食堂』の原作者の群ようこさんみたいです。
私、ふだんドラマだのアニメだの映画だのを見ていても、監督が誰なのか?とかなんて気にもしていないし、例えば長く続いてるドラマではその回によって監督が違ったりするみたいですが、「今日の監督は好きじゃないな」なんて思ったこともないぐらいボーっと見てるだけなんですけど、こういう癒し系のまったりした作品だと、逆に何も起こらないからこそ監督による違いみたいなのに気づいてしまうのかなぁ。
ちなみにこの作品の他にも、小林聡美さんが主演、脇を固めるキャストもだいたい同じ、でも監督は別だけどみんな敢えて同じような売り方をしているのかな?という作品がいくつも存在しているみたいです。かもめ食堂がヒットしたからそういう客層を狙っているんでしょうかね。
でもたしかに、かもめ食堂が好きな人なら、『主演 小林聡美』って見ただけで「おっ、これは!!」って思っちゃいますもんね。ましてや共演者に『もたいまさこ』って名前があったら、少なくても私はそれだけで飛びつきます(笑)
個人的に、両者が出ていた『やっぱり猫が好き』が大好きだったというのもありますが。
それに、こういう何も起こらない癒し系の作品って定期的に見てウトウトしたくなりますよね。
いずれ、それらの作品を見てみて一覧記事みたいなのを書けたらいいなぁって思ってます。
良かったところ
・猫がかわいいし演技もすばらしい
この猫ちゃんの二度見が秀逸すぎて、思わず「えー!!(笑)」って言っちゃいました。癒される
・ほのぼのとした田舎の景色
私は田舎出身なので、まあ個人的には、憧れるというよりは懐かしい風景だなぁっていう感じですけどね。でも、木や草の緑と空の青と雲の白が癒されます
・『ザ・理想のスローライフ』の様子が垣間見れる
この作品の登場人物の生活って、おそらく、田舎暮らしに憧れている人たちが理想としているであろうそのままの形なんだと思います。
大きすぎない畑、よく卵を産んでくれる鶏、雑草を食べてくれるヤギ、そして、その自給自足の生活をいろいろと助けてくれるけど絶妙な距離感を保ってくれる住民
こんな最高の条件が揃うなら、私も田舎で自給自足の生活をしてみたいなぁって思ってしまいます
・何も考えずに見たら穏やかな気持ちになるし、ウトウトできる
何も考えずに見るのがポイントですかね。私はウトウトできました
・食事がおいしそう
これは必須要素ですよね。でも、たまに量が少なそうなときがあるので、「食べ盛りの子供もいるのに足りるのかな」って余計な心配をしてしまいましたけど(笑)
気になったこと
・アキラがお礼を言えない
おかずを取ってもらっても、散歩中にお茶をもらっても、「ありがとう」が言えないんですよね。年ごろの男子だからとはいえ、せめて「どうも」ぐらい言うとか軽く会釈するとかねぇ・・・でも、この子の周りの大人たちはぜんぜん気にしていないようだったから、そういうもんなのかなぁとも思うけど、ちょっと気になっちゃいました
・会話のやり取りで、びみょうな『間(ま)』があることが多い
会話を聞いているこっちのリズムが狂うというかなんというか。でもそれは、「お芝居のなかの台詞」って思って見ちゃうからなんでしょうね。
考えたら、ふだんの自分たちの会話でも、相手の話を最後までちゃんと聞こうとしたりとか、なんて答えようか考えていたらびみょうな間ができてしまったなんてことはよくあることなので、逆にリアルな感じにするための敢えての『間』なのかもしれません。だとしたらすごいな
この作品は、田舎で生まれ育った(自給自足ではなかったけど)私から見たら、ほんとうに『理想的な』田舎ぐらしの様子だなと思います。現実の田舎ぐらしってそんなに甘くないし、こんなにも人も動物も自然も何もかもいい感じのバランスを保ってくれる自給自足の暮らしなんて無理だろうなっていう。
とは言え、そんな余計なことは考えず、ただのどかな空気感を楽しむための作品だと思うので、ボーっとしたいときにはおすすめできるかなと思います。
原作者のこと
この作品のことを調べていたら原作者がちょっと興味深かったので、ご紹介します。
原作者の石井桃子さんは、日本に初めて『クマのプーさん』を紹介した児童文学の第一人者らしいです。そして、ピーターラビットシリーズなどの翻訳も手掛けていたんだとか。
さらにウィキペディアによると、石井さんはあの太宰治とも面識があったようで、しかも太宰治が石井さんをちょっと好きだったみたいなことが描かれていました。そのエピソードはなかなか興味深いですよね。気になったあなた、ぜひウィキペディアを見てみてください。
で、気になったのが、「え?太宰治と知り合いってことは、原作者は昔の人なの?」ってこと。
1907年生まれだそうなのでまあ昔の人ではありますが、2008年までご存命だったようなので、最近の人でもありますかね。
『山のトムさん』はどこで見られるの?
この作品は、DVDやBlu-rayでも販売されていますが、以下の動画配信サービスでも視聴できますので、「DVDとかは要らないけどためしに見てみたい。」というばあいは、動画配信サービスが便利かもしれませんね。3つとも、無料のおためし期間が設けられています。
(なお本ページの配信情報は2020年4月2日時点のものです。最新の配信状況は各サービスの公式サイトをご確認ください。)
・Hulu
『山のトムさん』は、個人的に気になるところはあるものの、「むずかしいことは考えずに見たい」「のどかな風景に癒されたい」「テレビとか映画とか見ながらウトウトするのが幸せ」というときにはおすすめできる作品だと思います。
ぜひ理想の自給自足生活に思いを馳せながら癒されちゃいましょう。
最後までお読みいただき、どうもありがとうございました。
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